サプライ・チェーン
今回は、サプライ・チェーンに関してです。(※前の記事と少し重複する部分があります)
サプライ・チェーン
従来の流通チャネルは、簡単に言えば工場から始まり、欲しい人にむかって、欲しいときに欲しいものを届けるというものでした。そのために、流通に関する戦略を立て、小売りや卸売の業者を選んで、流通チャネルを作り上げます。
しかし現在では、流通戦略はかより広い考え方をするようになっています。「サプライ・チェーン」がそれにあたります。
流通チャネルが、メーカーから消費者までつなぐことを考えたのに対し、サプライ・チェーンは、原材料から始まり、部品、製品ときて流通チャネルにつながり、消費者まで届く長いチェーン(連鎖)を考えます。
流通チャネルよりずっと早い段階から始まる、もっと長いチャネルということです。材料の段階からマーケティングが始まっているといっても過言ではないでしょう。
消費者が出発点にもなりゴールにもなる
流通をサプライ・チェーンと捉える経営管理手法「サプライ・チェーン・マネジメント」(SCM)では、メーカーは供給業者のみならず、供給業者のことまで視野に入れることになります。
そして、受発注や在庫、物流などの情報を全体で共有し、原材料や部品、製品の流通全体を最適化することを目指します。
そのためには、最新のITを活用した情報システムも欠かせません。そこから、その情報システム自体も「SCMシステム」と呼ぶことがあります。
サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)が、垂直型マーケティング・システム(VMS)と違うもう1つの特徴は、消費者をチェーンの出発点でありゴールと考えているところです。
次の図を見てください。
VMSと異なり、SCMでは消費者がパソコンなどの使用を自由に指定し、メーカーがそれを組み立てて提供するBTO(jBuilt To Order)という販売方式がありますが、これがSCMの代表的な例です。