コミュニケーション戦略
ニーズに応えた製品、価格、流通ができても、それを消費者が知らなければ意味がありません。売り手側の会社からコミュニケーションをとって、知らせる必要があります。
その意味で、マーケティング・ミックスの第4戦略「プロモーション」はコミュニケーションということです。
消費者が多様化した現在、どの会社も、消費者に向けたコミュニケーションに努力しています。商品やサービスの情報はますます市場にあふれ、これからどんなコミュニケーションをとっていけばよいか、難しさは増す一方です。
どんなコミュニケーションの方法が可能なのかを見ていきましょう。
人的・非人的の「コミュニケーション・チャネル」がある
マーケティングでは、市場に何かを届ける経路として3つの「チャネル」を考えます。1つは「流通チャネル」、もう1つは「販売チャネル」。これは、販売を行う小売業者や電子商取引などのことです。
そして3つ目が「コミュニケーション・チャネル」です。市場の消費者と、コミュニケーションをとるためのチャネルです。またコミュニケーション・チャネルは「人的(パーソナル)」と「非人的(ノンパーソナル)」に分けることができ、それぞれ次の図にあるようなコミュニケーションの方法があります。
コミュニケーション戦略で使えるのは、これらの人的・非人的コミュニケーション方法のすべてです。
コミュニケーションは「ミックス」で考える
マーケティングのコミュニケーション(プロモーション)といった場合、すぐに思い浮かぶのはおそらく広告ではないでしょうか。
たしかに、広告はコミュニケーションとして重要です。しかし、広告だけではなく方法はその他にもあり、商品やサービスによっては別の方法が適している場合もあります。
マーケティングのコミュニケーションの方法として、主に利用されるのは次のようなものです。
まず、「広告」ですが、おなじみのテレビ・新聞・ラジオのほかにも、雑誌やインターネットなど「広告媒体」がいろいろあります。「販売促進」は、店舗にPOP広告を出したり、展示会やイベントを開催したりと、さまざまな活動の総称です。
「人的販売」は、対面して行う活動全般。っ情報を伝えるとともに、要望や感想が聞ける双方向のコミュニケーションが特長です。
以上の4つが基本になりますが、日本ではこれに「口コミ」を加えることも多く、「ダイレクト・マーケティング」も、コミュニケーション方法としてあげられることが多いです。これらの方法を合わせて、コミュニケーションを行うことを「コミュニケーション・ミックス」といいます。
広告媒体を組み合わせる「メディア・ミックス」
それでは、効果的なコミュニケーション・ミックスのために、それぞれのコミュニケーション方法の特徴と、内容を見ていきましょう。
まずは「広告」からです。
広告は、スポンサー名をつけて、有料で発信することが第1の特徴になります。わざわざ「有料」といったのは、後で理由がわかることでしょう。
広い地域の消費者に伝えることができる一方、テレビなど、一般にコストは高めです。ラジオなどは、比較的安くつきます。
広告を載せる倍遺体を「広告媒体」「メディア」と呼びます。メディアにはそれぞれの特徴がありますから、広告を出すときには、書くメディアの特徴を考えて組み合わせることが必要です。これを「メディア・ミックス」といいます。
マーケティング・ミックスの中のコミュニケーション・ミックスの中のメディア・ミックス、ということです。
媒体の特徴を活かした組み合わせ
メディア・ミックスの対象になる広告媒体は、次のように意外と数多くあります。
おなじみの「マスコミ4媒体」をはじめ、「インターネット」、販売促進の一環として行う「SP広告」など。「衛星メディア関連」とあるのは、マスコミ4媒体に含まれない放送などです。
このような各媒体の特徴を活かし、メディア・ミックスを効果的に組み合わせます。たとえばテレビは、インパクトの大きさと視聴者の多さでは群を抜いています。しかし、コストが高く、伝達できる情報量も多くありません。そこで、コストの安いラジオ、情報量の多い新聞と組み合わせるメリットが生まれます。
たとえば新聞は、雑誌に比べて、読者の数では大きくリードしているもの。しかし、雑誌には、ライフスタイルで読者のセグメントができるメッセージもあります。
このような徳量を活かしたメディア・ミックスが大切です。