マーチャンダイジング
マーチャンダイジング=商品戦略
【マーチャンダイジング】という、ちょっとマーケティングに似た語感の用語をご紹介します。
マーチャンダイジン(MD)とは、商品戦略のようなものです。もともと、業種を限定する用語ではありませんが、現在では流通や小売業を対象に使われることが多くなっています。
日本語の「品揃え」「仕入れ」「商品開発」などの意味を含むといえば、イメージがしやすいかと思います。
アメリカ・マーケティング協会の定義では、マーチャンダイジンを「適正な商品またはサービスを、適正な場所で、適正な時間に、適正な数量を、適正な価格で、マーケティングすることに関する諸計画」としています。
これが一般に「5つの適正」と呼ばれるものです。
商品管理やプロモーションも必要
といっても、マーチャンダイジンはある意味で商品戦略ですから、品揃えだけしていればよいことにはなりません。
たとえば、POSシステムのデータなどを活用して顧客の動向を分析する、そこから売れ筋や死に筋の商品を把握する、さらに仕入れ計画に反映させるといった商品管理も必要になります。
また、商品戦略は、プロモーション(コミュニケーション)戦略と深くかかわっています。せっかく「5つの適正」を満たす品揃えをしたとしても、顧客にそれを伝えるすべがないのでは効果は限られてしまいます。
プロモーション戦略の販売促進や、広告宣伝の計画と、十分に統制が取れたものでなければなりません。
最も古くて最も新しい「人的販売」
「人的販売」とは、営業担当者、販売員など「人」による、直接的な販売活動=コミュニケーションを指します。
この人的販売はコミュニケーション戦略の最後になります。
たとえば、コミュニケーション・ミックスを「AIDMAの法則」で考えてみていきます。
注意・関心・欲求・記憶といった段階で力を発揮するコミュニケーションは、広告やPRです。しかし、行動の段階になると販売促進、それに人的販売が絶大な力を発揮するはずです。買おうかどうか迷っている消費者の「背中を押す」役割は、人的販売の得意とするところです。
また、「プッシュ戦略」「プル戦略」で考えてみることもできます。
プル戦略で主に使われるのは、広告・PR・販売促進ですが、プッシュ戦略のほうは販売促進、そして人的販売なしには成り立たないといってもよいでしょう。
前の記事で「ダイレクト・マーケティング」についてみましたが、人的販売はダイレクト・マーケティングの最古の形ともいえます。3つの特徴(カスタマイズ・即時性・双方向性)を見直してみると、3つとも条件を満たしています。
ダイレクト・マーケティングといえば、マス・マーケティングから出発したマーケティングがたどり着いた最新の考え方です。人的販売は最古にして最新のコミュニケーションといえるかもしれません。