~経営の要~

マーケティング

マーケティング用語とその意味【六】

今回紹介するマーケティング用語とその意味【六】はこちら↓

 

・近視眼マーケティング
・顧客知覚価値
・カスタマーエクイエティ
・顧客ロイヤルティ
・顧客シェア

 

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・近視眼マーケティング

これは、元ハーバード・ビジネススクール名誉教授のセオドア・レビットが提唱したもので、レビットが取り上げている事例として「鉄道会社の衰退」があげられます。

鉄道輸送にこだわったばかりか、自転車や航空機等の台頭に対応できず、衰退してしまった。本来は、事業ドメインを輸送事業と捉えるべきだったと述べています。

 

ここから学べることは、自社の事業ドメインを狭く定義しないということです。

消費者のニーズや社会動向が大きな変化を遂げている現代において、狭すぎる事業ドメインの設定は大きな環境の変化に対応できず、事業の機械を逃す可能性があるということです。

 

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・顧客知覚価値

 

顧客が、製品に対して抱く品質や費用に対する総合的な価値判断のことをいい、費用は総顧客費用であり金銭的費用だけでなく心理的なコストも含みます。

 

 

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・カスタマーエクイエティ

 

「エクイエティ」とは、純資産といった意味です。直訳すると「顧客資産」になります。顧客は売り手にとって資産だ、という考え方で、顧客生涯価値の全顧客の合計のことです。

 

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・顧客ロイヤルティ

顧客があるブランドや商品、またはサービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のことを顧客ロイヤルティといいます。

 

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・顧客シェア

 

顧客シェアとは、顧客が購入した商品の内、自社の商品が占める割合のことです。別名では、ウォレットシェア(お財布シェア)とも呼ばれます。

 

化粧品扱っている場合で考えたときに、顧客が化粧品を購入するのに使ったお金をどれだけの割合を自社に使ったかを示します。

毎年、化粧品を数10万購入している顧客がいたとして、その顧客が自社の化粧品を5万円購入したとすると顧客シェアは50%になります。

 

 

マーケティング用語とその意味【五】

今回紹介するマーケティング用語とその意味【五】はこちら↓

 

・ホリスティック・マーケティング

・ニーズ

・ウォンツ

・シーズ

・マーケット

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・ホリスティック・マーケティング

ホリスティク(holistic)とは「全体的」「総合的」という意味です。

さまざまなマーケティング活動やプロセスを融和させようというものです。

マーケティングの神様とよばれるフィリップ・コトラーによると、ホリスティック・マーケティングは↓の4つを構成要素としています。

 

1.インターナル・マーケティング   

2.統合型マーケティング

3.社会的責任マーケティング

4.リレーションシップ・マーケティング

 

これらのマーケティング活動を融和させたものが、ホリスティク・マーケティングです。

※インターナル・マーケティング

組織内に対するマーケティングマーケティング部門だけでなく、組織内の全員がマーケティング志向となるよう教育や動機付けを行う。また従業員満足度を上げる施策を行うこと。

※社会的責任(CSR)マーケティング

経済・環境・社会など、幅広い分野に企業が与える影響を考慮しながら、利害関係者(顧客・株主・従業員・消費者など)の要求に対し、適切な責任をはたしていくという考え方。

 

※リレーションシップ・マーケティング

顧客との良好な関係を長期的・継続的に維持して、顧客くのロイヤルティを獲得する手法。

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・ニーズ・ウォンツ

 

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ニーズとは、欲求や需要のことを指します。

ニーズを満たすものはウォンツと呼ばれます。

 

ニーズには種類存在し、顧客がこれが欲しいと具体的、明確に表現する需要を顕在ニーズ、顧客がまだ気づいていない、明確に表現できず、宣伝・商品を見て初めて「こんなものがほしかったと気づく需要のことを潜在ニーズと呼びます。

 

 

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・シーズ

 

「種」という意味で、独自の技術、企画力、素材のことを指します

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・マーケット(市場)

 

需要者と供給者で取引が行われている状況・場所のことをマーケットと呼びます。

マーケティング用語とその意味【四】

今回紹介するマーケティング用語【四】はこちら↓


・セリング
・4P
・マーケット・イン
・プロダクト・アウト
・顧客志向
・生産志向
・製品志向  

・販売志向

マーケティング志向

・4C

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ここから用語の意味です↓

 

・セリング

 

セリングはすでにある商品やサービスから出発して、それを「どうやって売るか」を考え、顧客に売り込むことです。

 

・4P

 

4Pは、マーケティング・ミックス(MM)とも呼ばれます。マーケティングの目標を達成するために、いろいろな戦略を組合わせたものです。

 

下記4つの組み合わせからなるのが4P(MM)です。

 

製品   Product 

価格   Price

販売促進 Promotion

流通   Place

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・マーケット・イン

 

マーケット・インとは標的顧客を中心に考えて商品やサービスを開発し提供していくことです。

 

・プロダクト・アウト

 

プロダクト・アウトとは、これまでにない新しい商品を顧客に提案することです。

 

・顧客志向

 

マーケットインは「market oriented(マーケット志向)」ともいいます。マーケット志向をさらに推し進めると「customer oriented」、すなわち「顧客志向」になります。

顧客のニーズに応える製品を市場に提供することで、顧客に満足してもらい、かつ自分たちも利益を得られるという考え方です。

 

・生産志向

 

これは一番古くからある考え方で、消費者は手ごろな商品やサービスを求めていると考えて、低コストで大量生産をめざします。日本の戦後復興期などでもみられた志向です。

 

・製品志向

 

生産志向に対して、いいものを作ろうというのが「製品志向」です。消費者は最高の品質や性能、これまでにない斬新な商品やサービスを求めていると考えます。

 

・販売志向

 

何もしなければ消費者は買いません。こちらから売り込みをかけ、販売促進に取り組み売るぞ!という志向です。日本の高度成長期がこれにあたります。

 

・マーケット志向

 

「マーケット志向」は、製品でも販売でもなく、顧客のニーズから出発します。

商品やサービスを買ってくれる顧客を見つけるのではなく、顧客が求める商品やサービスを提供することを考えます。これのむずかしいところは、先にマーケットがあることです。

 

・4C

 

4Cは、アメリカの経済学者ロバート・ラウターボーンという人が提唱したものです。

 

下記4つが4Cになります。

 

Customer solutionn  顧客ソリューション

Customer cost              顧客コスト

Communivation            コミュニケーション

Convenience                利便性

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「顧客ソリューション」は顧客が抱える問題や課題をいかに解決するか、「顧客コスト」は顧客が支払う費用、「利便性」は顧客にとって流通チャネルなどが便利か「コミュニケーション」はプロモーションやアフターサービスなど、企業と顧客の関係性をいいます。4Cは4Pよりもさらに顧客側の視点に立った考え方といえます。

 

以上がマーケティング用語とその意味【四】です。

 

統合型マーケティング・コミュニケーション

駆け足でコミュニケーションの方法を見てきましたが、結局、一番重要なコミュニケーションはどれかという疑問がでてくると思いますが、これこそキモなどというコミュニケーション方法はありません。

 

大切なのはそれぞれのコミュニケーション方法の特徴を活かした組み合わせ(コミュニケーション・ミックス)です。

 

 

このことを表す用語に「統合型マーケティング・コミュニケーション」(インテグレーテッド・マーケティング・コミュニケーション=IMC)というのがあります。アメリカ、ノースウェスタン大学のドン・シュルツ教授たちが提唱したもので、広告や販売促進・PR・人的販売といったコミュニケーション活動を統合し、最大限の効果を実現すべきだという考え方です。

 


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 コミュニケーション・ミックスのそのものの考え方からすれば、ある意味当然とも思えますが、現実にはそれがなかなか難しいことでしょう。

 

コミュニケーションがバラバラではダメ

たとえば、新製品のパブリシティに続けて、テレビCMを展開する。そのCMには「詳しくはWebで」と誘導があり、アクセスした人が申し込むとサンプルが送られる。サンプルから口コミで広がったり、それを聞いた消費者が店頭におもむくと、販売員が詳細な説明をして購入に結び付く、といったイメージです。

 

 今日では、とくにインターネットの普及で、消費者に対するコミュニケーションの種類も、消費者が入手する情報の量も、以前とはケタ違いになっています。

 

そんな中で、コミュニケーションの効率を上げていこうとするなら、バラバラにやっていてはダメ、いま以上に統合しなければ・・・

 

そうした考えからIMCはますます重視される傾向にあります。

 

 

人的販売

最も古くて最も新しい「人的販売」

 

「人的販売」とは、営業担当者、販売員など「人」による、直接的な販売活動=コミュニケーションを指します。

 

 この人的販売はコミュニケーション戦略の最後になります。

たとえば、コミュニケーション・ミックスを「AIDMAの法則」で考えてみていきます。

 

注意・関心・欲求・記憶といった段階で力を発揮するコミュニケーションは、広告やPRです。しかし、行動の段階になると販売促進、それに人的販売が絶大な力を発揮するはずです。買おうかどうか迷っている消費者の「背中を押す」役割は、人的販売の得意とするところです。

 

また、「プッシュ戦略」「プル戦略」で考えてみることもできます。

プル戦略で主に使われるのは、広告・PR・販売促進ですが、プッシュ戦略のほうは販売促進、そして人的販売なしには成り立たないといってもよいでしょう。

 

前の記事で「ダイレクト・マーケティング」についてみましたが、人的販売はダイレクト・マーケティングの最古の形ともいえます。3つの特徴(カスタマイズ・即時性・双方向性)を見直してみてください。

 

しっかりと、3つとも条件を満たしています。

 

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ダイレクト・マーケティングといえば、マス・マーケティングから出発したマーケティングがたどり着いた最新の考え方です。そのため、人的販売は最古にして最新のコミュニケーションといえるかもしれません。

マーチャンダイジング

マーチャンダイジング=商品戦略

 

マーチャンダイジング】という、ちょっとマーケティングに似た語感の用語をご紹介します。

 

マーチャンダイジン(MD)とは、商品戦略のようなものです。もともと、業種を限定する用語ではありませんが、現在では流通や小売業を対象に使われることが多くなっています。

 日本語の「品揃え」「仕入れ」「商品開発」などの意味を含むといえば、イメージがしやすいかと思います。

 

 アメリカ・マーケティング協会の定義では、マーチャンダイジンを「適正な商品またはサービスを、適正な場所で、適正な時間に、適正な数量を、適正な価格で、マーケティングすることに関する諸計画」としています。

 

 これが一般に「5つの適正」と呼ばれるものです。

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商品管理やプロモーションも必要

といっても、マーチャンダイジンはある意味で商品戦略ですから、品揃えだけしていればよいことにはなりません。

 

たとえば、POSシステムのデータなどを活用して顧客の動向を分析する、そこから売れ筋や死に筋の商品を把握する、さらに仕入れ計画に反映させるといった商品管理も必要になります。

 

 また、商品戦略は、プロモーション(コミュニケーション)戦略と深くかかわっています。せっかく「5つの適正」を満たす品揃えをしたとしても、顧客にそれを伝えるすべがないのでは効果は限られてしまいます。

 

 プロモーション戦略の販売促進や、広告宣伝の計画と、十分に統制が取れたものでなければなりません。

 

最も古くて最も新しい「人的販売」 

 

「人的販売」とは、営業担当者、販売員など「人」による、直接的な販売活動=コミュニケーションを指します。

 

 この人的販売はコミュニケーション戦略の最後になります。

たとえば、コミュニケーション・ミックスを「AIDMAの法則」で考えてみていきます。

注意・関心・欲求・記憶といった段階で力を発揮するコミュニケーションは、広告やPRです。しかし、行動の段階になると販売促進、それに人的販売が絶大な力を発揮するはずです。買おうかどうか迷っている消費者の「背中を押す」役割は、人的販売の得意とするところです。

 

また、「プッシュ戦略」「プル戦略」で考えてみることもできます。

プル戦略で主に使われるのは、広告・PR・販売促進ですが、プッシュ戦略のほうは販売促進、そして人的販売なしには成り立たないといってもよいでしょう。

 

前の記事で「ダイレクト・マーケティング」についてみましたが、人的販売はダイレクト・マーケティングの最古の形ともいえます。3つの特徴(カスタマイズ・即時性・双方向性)を見直してみると、3つとも条件を満たしています。

 

ダイレクト・マーケティングといえば、マス・マーケティングから出発したマーケティングがたどり着いた最新の考え方です。人的販売は最古にして最新のコミュニケーションといえるかもしれません。

Eコマース

「Eコマース」のEはいずれ不要になる?

 

どこの会社にとっても、インタネットは無視できないものになりましたが、英語では店頭販売との関係から、次のような会社の呼び分けをしています。

 

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「クリック」がネットを、「ブリック」「モルタル」が店舗をあらわしています。

 

電子商取引のことを英語では「Eコマース」といいます。

 

企業間の電子商取引、B to Bも盛ん

電子商取引では、企業をB(ビジネス)、消費者をC(カスタマー)であらわして、

 

(企業) B to C(消費者)

(企業) B to B(企業)

(消費者)C to C(消費者)

 

の取引が行われます。

 

消費者としておなじみなのは、ネット通販などのB to C、それにネットオークションなどのC to Cでしょう。

 

しかし実は、B to Bもかなり盛んです。大企業が「購買ホームページ」を開設して、取引実績に関係なく、その都度条件のあう部門メーカーから調達するようなことも起こっています。

 

従来の取引先との利害衝突を避ける法

 

最も多いのは、上の表記でいえば「ブリック・アンド・クリック」、店舗販売からサイトを開設した会社です。そして

そういった会社で一番多い悩みは、ネットに顧客を奪われる従来の取引先との、利害衝突ではないでしょうか。

 

 コトラーが、それを両立させる3つの戦略を提案しているので、ご紹介します。

 1 ネットでは従来と違うブランド、製品を提供する。

 2 従来の取引先には、より高い手数料などで補償する。

 3 ネットで受けた注文も、配送と集金は取引先にお願いする。

 

「20対80の法則」

電子商取引のB to Cで、かつて有名になった言葉に「ロングテール」というのがあります。しかし、これを理解するためには、先に20対80の法則を紹介します。

 

 20対80の法則とは、一部の要素が全体に大きな意味や役割を持っているといった意味の法則で、いろいろな面で応用されます。

 

たとえば、製品と売り上げの関係でいえば「製品の20%、80%ピッタリではないにしても、製品と売上がこのような傾向を示すことは事実です。そのため、商品管理などでは上位20%の品目だけを重点管理するような方法も一般的です。

 

長いしっぽが巨大な収入源になる

ところが、インターネットのB to Cでは、これと違った現象が見られます。たとえば、ネット通販大手のアマゾンのように1億種類以上の商品を扱っていると、仮に80%の商品が1個ずつしか売れなかったとしても合計は8000万個。それ自体とんでもない数字だし、20対80のバランスも崩れるでしょう。

 

 このことを発見し、電子商取引では80%の部分も無視してはいけないと提唱したのが、アメリカの雑誌編集長だったクリス・アンダーソンという人で、そのキーワードが【ロングテール】です。

 

 通常、商品ごとの売上高を大きい順に並べてグラフにすると次のようになります。

 
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初め急に、やがて緩やかに減少し、ゼロに近づく双曲線を描きます。図の左部分がそれで、このとき累計売上高をとると、20%の品目で80%の売上を占めることがわかるのです。

 ところが、ネット通販で膨大な品目数を扱った場合は、図の右側のように、しぼったみたいな線が伸びます。

 これが【ロングテール】です。

 

 あまりにも長く伸びるため、1つ一つの売上高はわずかでも、合計すると巨大な額になります。こうして、80%の部分も大きな収益源になっています。

 

 もっとも、このビジネスモデルが成立するのは、ねぅと通販の在庫管理や流通にかかるコストが、従来の小売りに比べてはるかに小さいからです。