マーケティングの意思決定に必要な情報とは?
的確な事業の戦略を立てるためには、正確な情報が重要となります。
意思決定に必要な情報を正確かつタイムリーに収集したり選別したりするための手段や人員などをマーケティング情報システムと呼びます。
この【マーケティング情報システム】は
1社内記録
2 マーケティング・インテリジェンス活動
3マーケティング・リサーチ
この3つにより構成されます。
1社内記録
どんな会社にも、商品やサービスの仕入・売上に関する詳細な記録があります。パソコンで使える「在庫管理システム」「顧客管理システム」といったソフトも市販されています。また社内で伝票や帳簿なども記録されているはずです。こうした「社内記録」が利用すべき第1の情報です。社内記録を調べるだけでも、ターゲットの絞込みなどに役立つ商品の売上データや、ポジショニングに活かせる顧客の情報が得られます。
2マーケティング・インテリジェンス活動
マーケティング・インテリジェンス活動とは、情報収集活動のことです。本や新聞を読んだり、インターネットで検索したり、さらに顧客や取引先、社内の担当者の話を聞くだけでもマーケティングに役立つ情報収集ができます。逆にいえば、マーケティングの戦略を立てようとするなら、普段から本や新聞を読んだり、人の話を積極的に聞いたり、常にアンテナを立てておく必要があります。
3マーケティング・リサーチ
続いて第3のマーケティング・リサーチについてです。これは、顧客のニーズやウォンツを知るための調査のことです。
マーケティング・リサーチは下記の図のような6段階で行うのが効果的です。
最初に、リサーチで何を調べるのか、問題と目的を明確化しておくことが大切です。その問題と目的にそって調査計画を作成しますが、そこでは様々な要素を決めなければなりません。計画ができたら。調査を実施して情報を収集し、それを分析していく調査結果を提出。それに基づいて、戦略の決定権者が意思決定を行うというのが基本的な手順です。
計画の最初の段階で重要なのは、「2次データ」「1次データ」のどちらか、または両方を収集するのか、決めることです。
2次データというのは、各種の調査や統計など、すでに収集されているデータのことです。無料か、ごく安いコストで入手できますが、反面、目的にピッタリ合ったものはなかなか見つかりません。そこで、まずはコストの安い2次データにあたり、情報が古かったりする部分について実施調査を行なって、目的にそった新規データ=「1次データ」を収集するのが効率的な方法となります。
1次データの収集にあたっては、「調査手法」と「調査手段」を決める必要があります。
調査手法として次の5つがあります。
次に調査手段です。どんな道具立てで調査するかということです。
主な手段として次の3つがあげられます。
「質問票」「質的調査」「機械装置調査」
質問票というのはおなじみのものですが、「質的調査」というのは量的ではない、観察調査やインタビューの手段を指します。「機械装置」は、ICカードやGPSその他の様々な最新機器を使用して行う調査手段のことです。
調査手法と調査手段が決まったら、サンプルのとり方と調査対象とのコンタクトのとり方を決める必要があります。
マーケティング・リサーチは、きちんとした統計調査でなければなりません。そのため、調査対象全体(母集団)から標本(サンプル)をどう抽出するか、決めておくことが必要です。
「サンプリング計画」では、母集団をどこまでとするか=「サンプリング単位」、何件のデータをとるか=「サンプル・サイズ」、サンプルをどう抽出するか=「サンプリング手順」を決めます。
一方、「コンタクト方法」は、調査対象と接触する方法を決めるものです。主なコンタクト方法としては、「郵送質問票」を送って答えてもらう他、「電話インタビュー」、「対面インタビュー」、ウェブ上に質問票を掲載したり、チャットを利用する「オンラインインタビュー」があります。
このように、実際のマーケティング・リサーチは綿密な計画と、専門的な知識が要求されます。
そのため、リサーチの専門部署でない限りは、外部機関などに依頼するのが通常ですが、そのためにも手順や方法を知っておくのは大切です。