人間の欲求の3段階
マーケティングの出発点は、前項で見た人間の欲求ということになります。
では、マーケティングから見た人間の欲求とはどういうものでしょうか。
「マーケティングの神様」と呼ばれるP・コトラーによると、人間の欲求は3段階に分けられると言います。
その3段階とは、
「ニーズ」
「ウォンツ」
「デマンズ」
の3つです。
ニーズとは、「必要性」、ウォンツとは「欲求」、デマンズとは「需要」といった意味になります。
上記、画像の例で見ていきましょう。
まず、ニーズは欠乏や必要性です。
お腹すいたとか何か食べたいとか、喉がかわいたというのがニーズです。
次にウォンツはニーズが具体的になったものです。
ラーメンとかハンバーガーとか水といったニーズを満たす具体的なものがウォンツになります。
最後にデマンズです。
買う意思と買える能力がある人の気持ちです。
ラーメンを食べよう。ハンバーガーを食べよう。水を買おう。
以上がニーズ→ウォンツ→デマンズという人間の欲求の3段階です。
ニーズについて補足ですが、
コトラーによると、マーケティングはニーズを創造することはできないといっています。
つまり、食べ物が足りない。乗り物がない。といったそもそものニーズを作り出すことはできないということです。
しかし、それらに影響を与えることはできまます。
例えば、自動車に対するニーズがあり、具体的に乗用車がほしいといったウォンツが出てきたとき、実際に買おうと思った人とその人の購買能力を調べ、そのデマンズをより具体的に「○社の乗用車を買う」という方向に向けることは可能ということです。
また眠っているニーズを覚ますのもマーケティングです。
マーケティングはニーズを作り出せないのはその通りですが、隠れていたニーズを見つけ出すことはできます。
例えば、携帯音楽プレイヤー。ソニーが1979年に初代のウォークマンを登場させる以前に、携帯型でイヤホンで聴く音楽プレーヤーが求められていると考えた人は、ほとんどいなかったでしょう。
しかし、発売されるや否やあっという間に普及し、今日のアップルのipodに至るまで音楽好きな人の必需品です。
眠っているニーズを探しだし、その眠りを覚ますのもマーケティングの仕事です。
ニーズ、ウォンツ、デマンズとマーケティングの関係はだいたいこのようなものと考えておけば良いでしょう。