マズローの5段階の人間の欲求
マーケティングの中心にはいつでもお客様「顧客」が存在します。
お客様が何を考え、何を求めてどんな行動をとるか、それを知らずにマーケティングはあり得ず、「売れるしくみ」を作ることもできません。
そのお客様が求めるものを知るヒントとして、
人間の欲求を5段階で表した「マズローの法則」というものがあります。
今回はその人間の欲求についてマズローの法則に沿って説明していきます。
ではまずこちらの↓図、マズローの5段階の欲求をみてください。
では図の下から順番に説明していきます。
人間の欲求の1番目は、生理的欲求です。
こちらは、生きていく上で、欠かせない欲求になります。食欲や性欲、睡眠欲などが該当します。
2番目は安全欲求です。
安全に暮らしたい、安心したい、自分の身を守りたい、不安から逃れたいといった欲求がこちらにあてはまります。
3番目は社会的欲求です。こちらは所属と愛の欲求とも呼ばれます。
集団に属したいだったり、仲間がほしい、人と同じようにしたい、愛されたいといった欲求です。
4番目は承認欲求です。尊厳欲求とも呼ばれます。
この欲求は、他者から認められたい、尊敬されたいという欲求です。
5番目は自己実現欲求です。
これは、自分の能力や可能性を発揮し、創造的な活動や自己の向上を望んだり、充実した人生を送りたいとか、自分らしく生きたいといった欲求になります。
また下から4つの生理的・安全・社会的・承認欲求は足りないものを満たす欠乏欲求です。
そして自己実現欲求は自分が成長したいなどの成長欲求になります。
そして生理的・安全欲求は物質的欲求で、残りの社会的・承認・自己実現欲求は精神的欲求に該当します。
この欠乏欲求や成長欲求、物質的欲求、精神的欲求は、先程の図をみていただければ分かりやすいです。
この5段階は、下位の欲求が上位の土台になっているので、1つの段階が満たされると、より上位の欲求に進むという説です。
なので、いきなり自己実現したいという欲にはならないということです。
では具体的な例をだして、考えていきましょう。
例えば、衣料品
生理的欲求の段階では、衣類は単に身にまとうもの、せいぜい下着や普段着、防寒着くらいでしょう。
これが次の安全の欲求になると、燃えにくい難燃性の素材や、化学農薬を使わずに栽培されたオーガニック・コットン素材の商品などが思いつくようになります。
そして次の社会的欲求になると、各種団体のユニフォーム、とくに会社の制服などが求められるかもしれません。
さらに、尊厳欲求になると、高級ブランド品、自己実現の欲求になると世界に1つしかない一点ものや、非常に個性的なおしゃれ着などが、欲求の対象になることでしょう。
このようにマーケティングでは、お客様の欲求がいま何に向かっているかをとらえ、それを満たす商品・製品やサービスを作り出すことが大切になります。