~経営の要~

マーケティング

消費者の購買行動に影響する3つの要因

今回は顧客がどのようにして、何を買うかを決めている、消費者の購買行動に影響を与える3つの要因について紹介します。

 

1 文化的要因「文化、サブカルチャー、社会階層等」

2    社会的要因「準拠集団、家族、役割と地位等」

3 個人的要因「年齢・職業、経済状況、ライフスタイル、価値観等」

 

上記、がその要因です。

 

 

 

まずは、文化的要因。

 

これは文化そのものとサブカルチャー、社会階層などです。

この場合のサブカルは、国籍・宗教・人種・地域などを含む副次的な文化をさします。

 

社会階層は、上流や中流とかです。職業や収入など複雑な要素で決まり、1人の人でも変わることがあります。

このような人が育ってきた文化や、現在の社会階層が、何を買うか、消費者の購買行動に第1の影響力を持っています。

 

 

2つ目は社会的要因です。

 

こちらは、準拠集団、家族、社会的な役割と地位があります。

 

準拠集団についてはこの記事の最後にオピニオンリーダーとともに紹介します。

 

社会的要因の中でも最も重要なのが家族です。なぜならば、子供の時代には親の強い影響があり、大人になってからの購買行動は配偶者と子供の直接的な影響を受けるためです。

 

社会的な役割と地位では、公務員や社長では買う服が違かったりクルマなどにも影響してくるのはいうまでもありません。

 

 

 

 

3つの目は個人的要因です。これは個々の人の特性のことです。

 

年齢・職業・経済状況をはじめ、ライフスタイル、価値観といったものが含まれます。パーソナリティ(どんな性格か)や、自己概念(自分をどう見ているか)まで、購買行動に影響しているものです。

 

このように、購買行動に影響を与えている要因は単純ではありません。さらに主な要因について少し詳しく説明していきます。

 

先ほど、社会的要因ででてきた「準拠集団」についてです。

 

人は何かを購入する際に、自分1人で決めているわけではありません。

たとえば、ディナーを1人で食べるにしても、同僚や友達、○○さんが「おいしい」といっていた店を選んだりします。あるいは、奥さんが「野菜食べてね」といっていたのを思い出しサラダを追加することもあるでしょう。

 

1人で選んでいるようでも、実は誰かの影響を受けて決めていることが多いのです。

 

このように、個人の購買行動に影響を与える人たちを「準拠集団」といいます。

 

準拠集団は日常の会話などで、個人に新しいライフスタイルや情報を与えたり、価値観を変えたりしているのです。また、知らず知らず、周りと同じ選択をするように仕向けている一面もあります。

 

下図のように、家族・友人・職場の同僚・近所の人など、個人的な付き合いの範囲が「第1次準拠集団」、職場団体・地域自治会など、公的でそれほど密でない付き合いを「第2次準拠集団」といいます。

 
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上記の準拠集団が重要なのは、その中に「オピニオン・リーダー」がいることが多いという理由もあります。

オピニオン・リーダーとは、特定の分野に強く、個人の購買行動に大きな影響力を持つ人のことです。

 

あなたの周りにも「○○のことなら××さんが詳しい」と言われている人がいたりしませんか?

 

 

マーケティングでは、どんな人たちがこのオピニオン・リーダーなのか探し出し、その人たちに向けたプロモーション(コミュニケーション)を行うことも重要です。

たとえば、ある商品のオピニオン・リーダーが女子高生だと分析できたら、女子高生に人気の雑誌や、インターネットのサイトに広告を打つといったような感じです。

 

 

また個人的要因は年齢・職業・経済状況をはじめ、ライフスタイル、価値観等ですが 、年齢・職業、経済状態、それに性別・未婚既婚の別なども含め、これらは数字や分類であらわせる要因です。こうした要因は「デモグラフィック(人工統計学的)特性」といい、マーケティングのデータとしてよく利用されています。

 

 

一方、ライフスタイルや価値観は、数字ではあらわせません、また分類も難しいでしょう。

 こちらは「サイコグラフィック(心理学的)特性」といい、消費スタイル・パーソナリティ(性格)といったものも含まれます。

 

デモグラフィック特性の要因は、明確で扱いやすいですが、実は、データ上は同じなのに、違う購買行動になる人が少なくありません。なぜかというと、サイコグラフィック特性の要因が異なるためです。逆にサイコグラフィック特性が同じために、同じ購買行動になる人もいます。

 

そこで、現代ではサイコグラフィック特性の研究も進められ、個人の活動や関心事、意見など調査・分析する「ライフスタイル分析」の手法が開発されて、重要なツールになっています。

 

消費者の多様化がさらに進んだ現在では、ライフスタイルなどの分析でも捉えきれない現象が見られるものです。

 

たとえば、「感性消費」と呼ばれる消費行動があります。

普通、人は何かを買うときは、品質やサービス、価格が「良いか悪いか」で選んでいると考えるのが、従来の常識です。ところが、現代の消費行動では、良いか悪いかより「好きか嫌いか」で選んでいるケースも多いです。

このような、感性的な判断による消費行動が「感性消費」です。

 

従来、服やカバン、靴など趣味性の高い商品に限られるとされていましたが、近年は、家電製品なども、好き嫌いで選ばれる傾向が強くなっています。感性消費にも注意しておきましょう。